農業にもっと夢を!
食文化をもっと豊かに!
街をもっと楽しく!

そんな「伊那谷が詰まった林檎の発泡酒」を作るプロジェクト、
「ASTTALシードルクラブ」が始動しました。

シードルとは?

シードルとは、フランス ノルマンディー地方・ブルゴーニュ地方などで作られてきたリンゴの発泡酒のこと。

語源は、「果実を醗酵させてできた酒」を意味するラテン語「シセラ(Cicera)」です。ぶどうのワインと同じくらい古い歴史があります。11世紀になって、フランスのノルマンディ-地方に定着し、その後イギリス、ロシアなどのヨーロッパ各地、オーストラリア、カナダでも愛飲されるようになりました。

また、各国でも、それぞれの呼称があります。
・フランス語 ― シードル(Cidre)
・英語 ― サイダー(Cider)
・ドイツ語 ― アプフェルヴァイン(Apfelwein)
・スペイン語 ― シドラ(Sidra)
・イタリア語 ― シドレ(Sidre)
 
そう!サイダーの語源はシードルだったんです!

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なぜ、シードルを作るの?

フランス北西部ノルマンディーの気候はブドウの栽培には向かないためワインは作られていませんでした。
しかし、その日夜の気温差とさわやかな気候、粘土質の土壌、日照条件から栽培に適していたリンゴを使ってお酒を造る文化が定着しました。ワイン文化とは一味違った「リンゴ文化」が華を開かせていたのです。

昔は農家ごとに自家用として造られ、炭酸と渋味・酸味が喉の渇きを抑えるために水より多く飲まれることもあったようです。イギリスに伝わったシードルはやがて植民地時代のアングロアメリカにも持ち込まれ、当時現地ではまだ飲用できる清潔な水にとぼしかったため、日常の飲用水代わりとして醸造された時代もありました。当時の生活にシードルは必需品だったんですね!

シードルにはブリュット(辛口)・ドゥミセック(中辛口)・ドゥー(甘口)があり、好みに応じて楽しまれています。

シードル用リンゴの分類

 フランスのシードル用リンゴは日本の生食用のものと違い、皮が厚く小ぶりで固い品種が栽培されています。ポリフェノールは生食用の5倍も含まれているようです。
そして、一言でシードル用「リンゴ」といっても、日本と同様に数百種類も品種があります。

大きく分類すると4つのタイプに分かれます。
・苦味種(アメール)
・甘苦味種(ドゥース=アメール)
・甘味種(ドゥース)
・酸味種(アシデュレ)
苦味の多いリンゴはシードルの厚いボディをつくり、糖分の多いリンゴはアルコールの元となり酸味の強いリンゴはシャープな味わいを作ります。

■どう作る?
収穫後、戸外に晒して熟成されたりんごは、圧搾機でゆっくりと絞られ、果汁が樽の中で自然発酵して微発泡酒「シードル」となります。つまりシードルには添加物が一切なく、りんごそのままで糖分がアルコールと炭酸ガスに変化し、度数2~5%の発泡酒が出来上がるのです。

信州といえばリンゴ

私たちの暮らす信州も「信州といえばリンゴ、リンゴといえば信州」と言われるほどリンゴ栽培は歴史も深く、品質も高いことでよく知られています。標高が高いという信州の地の利はリンゴ栽培の好条件である日夜の気温差、日照時間、水はけなどをもたらしました。温暖化が進む今、そのポテンシャルはますます高まっているといえるでしょう。

「ふじ」をはじめ近年では「シナノレッド」「シナノスウィート」「シナノゴールド」など県内固有種の作付も盛んです。生食用としては世界有数の高品質なリンゴを生産していると言っても過言ではありません。

伊那谷というポテンシャル

では、信州のなかで伊那谷はどうでしょう?

「川下り米」と呼ばれ日本有数のコシヒカリの生産地でもある伊那谷では古くからりんご栽培も盛んでした。
全国有数の厳しい冬の寒さと夏の爽快な風、澄み渡る空気がもたらす濃い日差し、三峰川水系から豊かに流れ下るミネラル分の多い美しい水、その中ではぐくまれる野菜、米、果樹すべてが良質でないわけがありません。なにしろ伊那谷にはそのすべての貴重な条件がそろっているのですから!

リンゴ農家と醸造家と飲食店が手を組んで

しかし、そこまで手塩にかけ育てたリンゴも高値が付くのは贈答用に限られてしまいます。
収穫高の3割も贈答用になればよしとするほど、利益性が薄くなってしまっているのが現状です。あとはB級品、格外品として半値~1/10のような金額で取引されてしまいます。これでは、後継者がリンゴ栽培に魅力を感じないのも残念ながら理解できます。
そして、徐々に伊那からリンゴの木が姿を消しつつあるのです。

ーーー

そこで、私たちASTTALは、そんな日本の食文化にとっても貴重な財産である伊那のリンゴを守るべく、何とかこの美味しいリンゴを作り続けてもらいたい、また、作り続けられる環境づくりに少しだけでも関わりたい。そして、伊那谷の高いポテンシャルを正しく発信したい。

そのように考える我々ができる事とは何なのか?
リンゴの商品開発なんて考えられうるものはすでにすっかり出尽くしているんでは…?
 
いえ、あります。
そう、リンゴといえばシードルです!
 
フランスのシードル用品種ではありませんが、生育条件の整った伊那のリンゴ、その品質、品種の豊富さ、味、栄養価の高さは折り紙付きです。ましてや、日本人の農業技術の高さはほかに類を見ません。
そうしたら、あとは醸造です。日本人ならではの繊細な醸造技術で品種のハンデを覆せるはず。そんな、醸造家を見つければ…
 
いました。
「伊那ワイン工房」さん。
数々のワイナリーの醸造責任者を経て、伊那に自らのワイナリーを開いた村田氏。
長い醸造経験に基づく経験と勘所は円熟の域に達していました。
 
さあ、ピースはそろいました。
 
ASTTALメンバーの飲食店と、その理念に賛同した飲食店が8店舗、そして、販売元となる
酒屋が揃うのに時間はかかりませんでした。
そうして、リンゴ農家と醸造家、酒屋、飲食店が手を組んで、
 
「伊那で実り、伊那で醸し、伊那で味わう」
 
そんな、シードルにかかわるすべての人がちゃんと、その生活を支える「仕事」になることを目指し、また、伊那に暮らすすべての人にとって心から自慢したい一品になる、そして、ヨーロッパ、アメリカかつてでそうであったように生活必需品としてこれから長く地に根を張って定着できる。
 
農業にもっと夢を!食文化をもっと豊かに!街をもっと楽しく!
そんな「伊那谷が詰まった林檎の発泡酒」を作るプロジェクト、
「ASTTALシードルクラブ」が始動しました。

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